特定非営利活動法人エス・エス・エス

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第1群 知ってほしいこと

NPO法人
正式には、特定非営利活動法人という。
NPO法(1998年にNPO法、特定非営利活動促進法が制定。)に基づいて都道府県または内閣府の認証を受けた法人です。
社会貢献を目的として活動する団体であり、NPO法上にあげられる20分野(保健・医療・福祉、社会教育、災害救援、経済活動の活性化など)のいずれかの活動に該当していなければなりません。非営利とは、お金をもらってはいけないということではありません。
有限・株式会社のように利益を株主や社員に還元しますが、NPO法人はこの利益の分配をしないという意味です。決算の際に利益がでれば、次年度の活動費にあてなければなりません。そのため、NPO法人でも事業収入を得ることができ、職員に給料を支払うことができます。
株式会社と同様にNPO法人で働く職員にも生活があります。
ある程度の給料を職員に支払うことができなければ、法人の活動を維持することはできません。
株式会社と同様に事業を継続する、維持することが非常に困難であります。
NPO法人エスエスエスでは、NPO法上にあげられる「保健、医療又は福祉の増進を図る活動」と「職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動」に該当した活動を行っています。年間の活動費は、NPO法人の中でもトップクラスですが、売り上げのほとんどが運営費に充てられているのが現状です。
無料低額宿泊所
第2種社会福祉事業に規定されている「生計困難者に無料、または低額な料金で簡易住居を貸し付け、または宿泊所などを利用させる事業」のことです。監督官庁に届け出を行い、ガイドラインに基づいて運営をしなければなりません。
住宅費の基準や生活費は実費相当額など、細かい取り決めがされています。
支援をすればするだけ運営コストがかかり、何も支援をしないと財政が潤うシステムとなっています。
そのため、支援をしない悪質な団体の活動が「貧困ビジネス騒動」を起こすきっかけとなっております。
無料低額宿泊所には、支援を必要とする方が、多く入所されています。
支援をするためには、人手が必要になります。人手を確保するためには、人件費がかかります。人件費を確保するためには、お金が必要となります。
「無料または、低額な料金」と規定されているため、安価に利用できるとイメージされるかもしれませんが、支援をする職員がいるため、単身生活よりも、若干金額は高くなります。
第1種社会福祉事業
社会福祉法において「社会福祉事業」とは、第1種社会福祉事業、第2種社会福祉事業をさします。
生活保護法に規定されている救護施設、更生施設。児童福祉法に規定されている児童養護施設。
老人福祉法に規定されている養護老人ホーム、特別養護老人ホームなどが該当します。公共性が高く、事業の継続と安定のために、より強い規制や監督が必要とみなされる事業であり、経営の主体は、国・地方公共団体・社会福祉法人などに限定されています。
第2種社会福祉事業
社会福祉法に規定されている事業で、第1種社会福祉事業に比べて、それほど強い規制、監督が必要とみなされない事業で、の社会福祉の増進に貢献する事業をさします。保育所、デイサービス、認知症グループホーム、障碍者グループホームなどが該当します。
NPO法人エスエスエスが運営している無料低額宿泊所もここに該当します。経営の主体の制限はなく、民間団体で届け出をする必要があります。
民間参入によって、サービスの質による競合が生まれようとしています。
ホームレス
「都市公園、河川、道路、駅舎その他の施設を故なく起居の場所とし、日常生活を営んでいる者」と定義されています。homeless(家がない)は、路上で生活する人に限らず、友人宅やネットカフェやカプセルホテルでその日暮らしている人々、居所がなく社会的入院をしている人々、安定して過ごせる居所が無い方すべての人々の総称です。
病気で働くことができなくなってしまった、年齢を理由に仕事を解雇された、会社を経営していたが失敗して借金を負って家族と離散する他なかったなど、様々な理由で安定した居所を確保することができない、路上生活を余議なくされる方々が多く、まだまだ「怠けている」「昼間からお酒を飲んでいる」「好きで路上で生活している」など社会的排除されがちな状況が続いているのが現状です。
社会的排除
貧困・障害・人種などの様々な理由から、社会との関わりが無くなり、孤立して社会から疎外されてしまうことです。
NPO法人エスエスエスでは、社会的排除されがちな生活困窮者や障害者などに対して住居を提供して、施設の共同生活を通して、社会とのつながりを取り戻すお手伝いをしています。
社会的包摂
社会から排除されてしまう人々に対し、排除状態にフタをせず、地域・社会・行政・民間団体が社会の一員として包み込みながら、つながりをつくっていくことです。
NPO法人エスエスエスでは、施設での共同生活を通して、職員や利用者同士の出会いを大切にしています。交流会や普段の暮らしの中で、他者とのコミュニケーションを深め、地域活動から、地域住民との関わりが深まります。また就労支援により、新たな職場でのつながりがうまれます。
施設を自立退所された後も職員や利用者同士のつながりが続くなど、「わたし達から始まる新しい人間環境の創造」をスローガンにかかげ社会的包摂に取り組んでいます。
生活保護法
日本国憲法第25条の生存権「すべての国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」に基づいた法律が生活保護法です。
【この法律の目的】第1条「国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする。」生活に困窮している方を救済する最後のセーフティネットと言われています。
ただしこの法律の定める要件(生活に困窮する方が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを活用しなければなりません)を満たす方が対象であり、全ての方が受給できるわけではありません。各福祉事務所が要保護状態(保護の必要があるかどうか)の判断をします。
生活保護法の種類と義務
生活保護の種類は、①生活扶助 ②教育扶助 ③住宅扶助 ④医療扶助 ⑤介護扶助 ⑥出産扶助 ⑦生業扶助 ⑧葬祭扶助 があります。
住んでいる地域における最低生活費は、主に①生活扶助(世帯や年齢などにより異なります。)と③住宅扶助の合計により計算され、金銭給付(現金支給)されます。
④医療扶助は、病院などの医療機関で診察・治療・手術・薬などの費用を現物給付(福祉事務所が負担する)されます。
また【生活上の義務】第60条「被保護者(生活保護を受けている人)は、常に、能力に応じて勤労に励み、支出の節約を図り、その他生活の維持、向上に努めなければならない。」など、被保護者が行わなければならないことがあり、その1つとして就労活動などがあげられます。
生活保護を取り巻く現状は、生活保護世帯数が210万人を超えています。
賛否両論ありますが、生活保護受給者に対して、どのように就労支援を行い、就労に結び付けることができるか課題となっております。
就労支援
日本は2.3人の労働者が1人のご老人を支えている時代です。今後、益々少子高齢化が進んでいく中、日本には圧倒的に労働力が不足しています。
稼働能力のある方には少しでも多くの労働者(支える側)に回って頂くこと、少しでも社会保障関係費を軽減することが必要不可欠だと考え、NPO法人エスエスエスでは「就労支援」を積極的に実施しております。
就労に意欲的な方でも経済状況による雇用機会の減少や度重なる面接の不採用などで、消沈している方が多数いらっしゃいます。
そのような中で、履歴書の書き方や面接の仕方などのアドバイスを行ってもあまり効果がないのが現状です。
そこで就労意欲を持って頂けるように、今後の人生の目標設定・自分を見つめなおすための取り組みとして自己啓発や自己分析に力を入れてセミナーを開催しております。それを踏まえた上で就労活動に必要な実践的な就労セミナーを実施しております。
それ以外にも、「しごと情報ダイヤル」、「合同企業説明会」、「雇用創出制度」等による就労支援の結果、平成27年度の実績としまして、月平均で約940名の方が何らかの形で就労しています。
社会保障関係費
国の歳出(支出)のうち一番多く使われているのが、社会保障関係費です。平成24年度の社会保障関係費は約26兆円です。
その内訳は医療(約33%)、年金(約31%)、社会福祉費(約15%)、生活保護費(約11%)、介護(約9%)となっています。
平成28年度の社会保障関係費予算は約32兆円と報告されています。
わたし達が安心して生活していくためには、医療、年金、福祉、介護、生活保護などの公的サービスが必要不可欠です。しかしながら、これまでの長年に渡る景気低迷、急速な少子高齢化の進行など数々の深刻な要因により、社会保障費が年々増大しています。
NPO法人エスエスエスでは、就労支援や年金受給支援を行うことにより、給与や年金受給を収入申告することで削減できた生活保護費を経済効果として算出しています。
この効果をNPO法人エスエスエスでは、社会コスト削減額(就労支援や年金受給支援による経済効果)といい、年間合計で約12億7,700万円の効果をだしています。
収入申告
生活保護法では、(届出の義務)第61条に、被保護者は、収入、支出その他生計の状況について変動があったとき、又は居住地若しくは世帯の構成に異動があったときは、すみやかに、保護の実施機関又は福祉事務所所長にその旨を届け出なければならいない。と記載されています。
そのため、生活保護を受給している間は、働いて給与をもらったら、年金を受給することができるようになったら、福祉事務所のケースワーカーに申告をしなくてはいけません。働きによる収入の場合は、必要経費を差し引いた金額を収入認定額とし一定額控除されます。
年金の受給については、資産活用による収入とみなされ、全額が収入認定額とみなされます。NPO法人エスエスエスでは、施設を利用されている方の給与や年金受給の申告により、福祉事務所に返納する額の合計を社会コスト削減額として、毎年算出しています。
ケースワーカー
日常生活を送る上で様々な困難や悩みをもつ人に対して相談・助言をしたり支援をしたりする人のことをいいます。主に全国にある福祉事務所ですが、児童相談所や老人福祉施設で働く職員もケースワーカーと呼ばれることがあり、現業員、児童福祉司、生活相談員、生活指導員、児童指導員などを指します。
NPO法人エスエスエスも取材を受けた柏木ハルコ氏が描く「健康で文化的な最低限度の生活」には、福祉事務所に配属された新人ケースワーカーの奮闘する姿が描かれています。
福祉事務所のケースワーカーについては、社会福祉法第16条(所定の定数)で担当する人数、生活保護を受けている人(=被保護者)被保護世帯数で決められてはいますが、年々、生活保護世帯数が増加している中で、都市部のケースワーカーは人手が足りない状況です。
そのため、担当している全ての被保護世帯に十分な支援が提供できないなどの問題が発生しています。
NPO法人エスエスエスでは、ケースワーカーと連携を取ながら、宿泊所を利用されている方に対して、ケースワーカーの代わりに支援を行うケースがあります。
社会的企業
事業を通じて社会問題を解決する組織体のことです。
NPO法人エスエスエスでは、「日本一の社会的企業」を目標に、様々な福祉の問題解決に目を向け、福祉の現状や問題点を発信していき、一般の方々にも福祉を身近な問題として考える場を提供しています。
取り組みの一つとしてスマイルプロジェクト(世界の貧困・子ども達の啓発活動など)を行っています。
社会的入院
日本の精神科病院には、社会的入院患者が約32万人存在します。世界的にも珍しい監禁大国となっています。
社会的入院とは、病院による入院治療の必要性が薄いにも関わらず、入院期間が長期化している状態のことを指します。
この様な現象の起こる背景には、家族や保護者からの引き取りを拒まれる問題、入院中に家族を失う又は実質離別するという問題、所得の欠如による経済的基盤の問題、地域の受け入れ施設の未整備問題等により、退院しても受け入れる場所がない、安心て暮らせないために、病院の病床で生活しなければならない理由があげられます。
入院医療費の大半が社会保障費で補われており、国の社会保障費を圧迫しています。病院こそ最大の貧困ビジネスの温床とさえいわれています。
日本の社会保障制度の破綻を防ぐためにも、地域の有用な社会資源(インフォーマルサービス)として、退院しても安心して生活できる場を提供することができる事業者の必要性をもっと多くの方々に認知して欲しいと考えます。
措置から契約へ
措置とは、行政がその権限を強権発動することによって、サービスの利用決定を行う職権措置をさします。
(適切な表現ではありませんが、あなたは、自分で何もすることができない、介護状態だから介護施設に入りなさい。といったニュアンスのこと)。
高齢者分野では平成12年・障害者分野では平成15年の法改正により、措置から契約へと移行を果たし、福祉サービスを選択できる時代へと変容しており、介護保険制度の施行により、「サービスの質」が競われる時代となってきました。
しかしながら、介護難民・社会的入院など社会問題への解決が十分されているとはいえず、自由にサービスを選べる時代とはいえない現状にあります。
生活保護の業界では、緊急一時保護施設・自立支援センター・一部の救護施設などが公設支援機能として現在も残っていますが、行政主導の貧困問題対策は不十分であり、それらは、時代と逆行した措置制度となっています。
その狭間を埋めるために、エスエスエスの宿泊所機能が存在していると考えます。

第2群 支援に必要な知識

ニーズとデマンド
ニーズとは、クライエントの望む生活を獲得する為の客観的な「必要性」を指します。
一方のデマンドはクライエントが主観的に要求している「希望や要望」を指します。簡単な言葉に置き換えると、利用者本位(デマンド)、自立支援(ニーズ)と定義できます。本当の支援とは、この利用者本位(デマンド)の考え方を受ける事がすべてなのか?もう一度捉え直す必要があります。
たとえば、クライエントがアパートを借りたいというデマンドをもっています。この方には、多額の借金があり、債務整理が終わっていない。
そのため、不動産契約に必要な住民票の確保も出来ない状態です。また、生活費の浪費が激しく、金銭管理能力に難があるとしたら。
このような状態で、支援者としては、「はい。そうですか。どうぞ」と言うわけにはいきません。
わたし達は、この課題をニーズ(客観的必要性)と捉えて、支援を組み立てることが重要になります。
クライエントの客観的必要性をしっかり把握するためにも、適切なアセスメントが必要になります。
介護業界ではケアマネジャー・障害福祉ではサービス管理責任者が、ニーズとデマンドを考えながらケアプランや個別支援計画を組みますが、わたし達の業界である生活困窮者支援の現場は、そもそも支援に対する制度が無く、残念ながらこの考えにすら至っていない現状があります。
ストレングスモデル
クライエントの『できないこと』ではなく『できること』注目して支援を組み立てる方法です。
対人援助の現場では、何も意欲を感じない方や、デマンドは強いが行動に移せない方など様々なケースが発生します。
このような困難ケースにこそ、ストレングスモデルは支援に光を見出せるものです。
クライエントの強み、意向、意欲、能力(過去の能力も含む)、支援者、道具、地域社会など、多くの要素をストレングスとして捉えていくことが出来ます。
アセスメント
事前評価のことです。
福祉の業界では、問題の状況確認、情報の収集と分析、援助の方法の選択、支援計画の立案を含む幅広い概念として使用されています。
介護や障害の分野では法律・制度として、『アセスメント→ケアプラン(支援計画)→サービス提供→モニタリング→計画修正(終了)』という一連の流れに、対価としてサービス費用(支援費)がつきますが、生活困窮者支援の業界ではこのような制度がまだ不十分であるため、法人のマンパワーに頼らざるを得ない状況にあります。
モニタリング
進捗確認のことです。福祉の業界では、ケアプラン(支援計画)で決められたサービスや支援の方針が、契約通りに提供されているかどうか、事前に設定してあった目標やサービス提供後の結果がどうであったかの評価をするための確認業務をさします。
介護分野では、ケアマネジャーがケアプランを作成し、ヘルパー(直接援助)がサービス提供をすることで、ケアマネジャーは、実施した支援は妥当で有効かつ適切なものであったかを客観的に確認することができます。
ADL(日常生活動作)
普段の生活の中で必要となる動作をさします。食事・入浴・排泄・着脱衣・寝起き・歩行・移動、コミュニケーションなどのことで、介護保険における要介護認定では、判定項目の多くがADLを基に組まれています。
宿泊所に入所される方は、基本ADLが自立されている方が対象となりますが、公的な施設が不足している、入所するためには時間がかかるために、ADLが低下された方の受入れもしています。
IADL(手段的日常生活動作)
自立した社会生活を可能にする手段としての動作をさします。
買い物・炊事・掃除・洗濯・電話の使用・服薬管理・金銭管理・交通機関を使った外出などがあり、ADLよりも応用的な生活活動をいいます。
宿泊所では、これらの能力をしっかりと身につけて頂くための支援を行っています。
これらの動作が備わっていない状態で、アパート生活を維持することは困難であり、IADLのアセスメントが必要不可欠と考えます。
QOL(生活の質)
「クオリティ・オブ・ライフ」。
生活の質や人生の質のことをさし、自分らしい生活や人間らしい生活を送れるように配慮することが最も重要だとする考え方です。
宿泊所の利用者支援の現場でも、QOLの要素をアセスメントで明らかにしていく中で、クライエントの望む人生を実現していくための支援を組み立てなければなりません。生活困窮状態にあり、生活保護へ移行する方が大半であるため、自分らしい生活や人生の幸福感という感覚が、思考から排除されていることが予測されます。
わたし達は、宿泊所を利用される方に対して、入所して良かった、施設満足度の向上、生活の質の向上を目指し、就労支援、雇用創出、居宅支援、生きがい支援など日々奮闘しています。
ラポール(信頼関係)
ラポールとは心理学用語で、カウンセリングの現場でよく使われる言葉です。
カウンセラーとクライエントの間に、相互を信頼し合い、安心して自由に振る舞うことができる、感情の交流を行える関係が成立している状態をさします。支援の現場でもクライエントの話しを沢山引き出すためには、ラポールの形成が基本的な前提条件として最も重要な要素となります。
バイステックの7原則
対人援助技術において最も基本的な原則で、アメリカのケースワーカー、フェリックス・P・バイステックが示したケースワークの作法として認識されており、支援者とクライエントとのラポールを形成するための倫理と行動の原則ともなっています。
■ 個別化の原則:個人として扱われたい
■ 意図的な感情の表出の原則:感情を表出したい
■ 統制された情緒的関与の原則:親身になって応答してもらいたい
■ 受容の原則:価値のある人間として認めてもらいたい
■ 非審判的態度の原則:審判(判断)されたくない
■ 自己決定の原則:自分で選択し、決定したい
■ 秘密保持の原則:自分の秘密を守りたい
傾聴
カウンセリングにおけるコミュニケーション技能の一つです。
カウンセラーの聞きたいことを聞くのではなく、クライエントの伝えたいことや願いを聴くことで、クライエント自身が自分の考えを整理し、納得のいく結論や判断に到達し、建設的な行動へ移すサポートをする手法です。
傾聴で大切なことは、「言葉以外の動作に注意し理解すること」「言葉のメッセージに最後まで耳を傾けること」「言葉の裏にある感情も受け止め共感を示す」などがあげられます。コーチングなどで使われる指示・指導的な支援と相反し、共感・受容的な方法が特徴としてあります。
エンパワメント
個人や集団が主体的に力をつけて、自分自身の生活や環境をコントロールできるようにしていくこと。
(主体的:自分の意志・判断において行動すること)
単純にやるべきことを代行(援助)してしまうことは、クライエントの力をつける機会を奪うことになってしまいます。
たとえば、通院同行の支援においては、『どの部分の力をつけていけば、一人で通院することができるのか?』に着目して分析し、支援計画を組み立てることが支援者の考えとして重要になります。
インフォームドコンセント
医療で使われる言葉で、治療に関する内容・方針の説明を十分に行い、患者が治療の方針を理解して納得をした上で同意して治療を受けることをいいます。
医療の場面では、手術の際などは同意の書面を交わすことが義務付けられています。
これは、インフォームドコンセントが定着していることをさします。
多くの場合、3~5分程度の短い診察時間の中で、インフォームドコンセントを図らなければなりません。精神科受診の場面では、コミュニケーションスキルに課題を抱えるクライエントが、はたして短い診察時間の中で自分の症状を的確に伝え、医師からの治療方針に納得し、同意することができているのかは疑問点が残ります。
福祉の業界でも、支援の方針を十分に説明し、十分に理解・納得をして、同意していくプロセスを踏むことが非常に重要です。
あくまでも、クライエントが主体となったものであることを忘れてはなりません。
アディクション(嗜癖:しへき)
自分では止めようと思っているが、どうしても止めることができない悪循環に陥ってしまう状態を指します。
アルコール依存、ギャンブル依存、薬物依存、摂食障害などがあげられます。
アディクションの問題として、「適正範囲を大幅にこえてしまうこと」「問題を認めないこと」「気持ちの変化が激しいこと」「身内や周囲を巻き込むこと」「再発率が高いこと」があげられます。
悪循環のサイクルに陥ると、心と身体が病気になり苦しむことになるのはもちろんのこと、周りにいる家族なども心の病気になる確率が高い特徴があります。また、周囲が立ち直らせるために、献身的なサポートをすることで、それがイネーブラー(共依存)となり、逆にアディクションを促進させてしまい、更なる悪循環を招くケースが多く存在します。
イネーブラー
アディクションに関わる援助者が、クライエントによって引き起こされる様々な問題行動に遭いながらも、「わたしがこの人を立ち直らせる!」と助け(尻拭い)を行い、結果としてアディクションの進行を促進させてしまう人をさします。
例えば、アルコール依存症の方が、適量をはるかに超えた飲酒を行い、暴力行為によって警察に保護されたとします。家族の立場としては、被害者に謝罪をし、「次は絶対にしないように言い聞かせます」などと言って身柄を引き受け、家に連れ帰ります。流れが想像できます。
本人は、酔いが醒めた時に「昨日は飲みすぎたなぁ」で終わってしまい、家族からいくら「昨日は大変なことがあった!」と説教をされても、実際に困っていないから実感を伴えなくなります。これが『尻拭い行為』であります。
仮に『尻拭い行為』をせずに、警察に捕まり刑を受けることとなれば、「大変なことをしてしまった」という実感を得て、お酒を止めなければならないという土台にたどり着きます。いわゆる『底付き体験』を経験することによって、自分の置かれている状態に気付き、悪循環から抜け出したいと考えることが治療のセオリーとなります。
社会資源
日常生活上の人々が抱えている様々な問題を解決する福祉サービスの総称で、フォーマル、インフォーマルな社会資源に分けられます。
フォーマルな社会資源は、制度化されているサービスのことをさします。
具体的には、公的機関、社会福祉協議会、福祉施設、病院などがあげられます。インフォーマルな社会資源とは、制度化されていないサービスのことで、具体的には家族、親族、友人、近隣住民、ボランティアなどがあります。
NPO法人エスエスエスでは、世の中の社会資源が不足している中で、民間ならではのフットワークをいかし、低コストで地域福祉のニーズに合った施設作りや、法の狭間で行政では手が差し伸べにくいサービスの検討を常に模索しています。
パターナリズム(父権主義)
父親が子供に対して保護的な干渉などを行う過程で築かれる支配的なパターンのことを指します。
支援者が良かれと思って行うケースが多く、いつの間にか支配的な関係に陥ってしまい、利用者本位から離れて行く悪循環がよく見受けられます。
『良かれと思って』とは、クライエントの利益のために「本人に代わり意思決定」をしてしまうことで、実はそこに「本人の意志が存在しない」というケースです。わたし達の支援の中でも、よく陥る悪循環のパターンです。

第3群 その他

マズローの欲求5段階説
アメリカの心理学者であるアブラハム・マズローが、「人間は自己実現に向かって絶えず成長する生きものである」と仮定し、人間の欲求を5段階の階層で理論化したものです。1~4段階を「欠乏ニーズ」と呼び、これらがある程度満たされると、5段階目の自己実現欲求が現れるとされている。
・1段階:生理的欲求:生命維持のための呼吸・飲食・睡眠・排泄などのニーズ
・2段階:安全の欲求:危険から自分の身を守り、安全を求めるニーズ。経済的安定など
・3段階:所属や愛情の欲求:家庭・学校・職場などに所属し受容され、友情や愛情を得たいとするニーズ
・4段階:承認の欲求:自分が価値ある存在と認められ、尊重されることを求めるニーズ
・5段階:自己実現の欲求:自分の持つ能力や可能性を最大限発揮し、形にしたいとするニーズ
宿泊所の利用者の方は、先ず1段階の生理的欲求と2段階の安全欲求については、環境(施設)として達成できると考えられます。
3段階の帰属欲求は、施設内での人間関係の帰属よりも、地域への帰属によって達成される欲求だと考えられ、4段階の承認欲求も地域によってこそ得られるものだと考えられます。この3、4段階の欲求を達成することは非常に難題で、この業界のテーマだと考えられます。この1~4段階の欠乏のニーズが達成されてこその5段階目の自己実現欲求だとすると、自己実現の欲求に辿り着くのは非常に長い道のりになります。
ブレーンストーミング
集団でアイデアを出し合うことによって、相互の連鎖反応や発想の誘発を期待する手法をさします。
ヒット商品を発案するために、一般企業でも活用されています。
ブレーンストーミングには、「判断・結論をださないこと」「自由な考え(奇想天外な考え)を歓迎すること」「質より量を重視すること」「アイデアを統合して発展させること」の4つのルールがあります。
支援に行き詰まった時や、相互に目標を失った時などに活用することで、考えもしなかった発想や新たなモチベーションを生み出してくれる有効な手立てになります。
相対的貧困率
日本の相対的貧困率は15.7%です。相対的貧困率は、可処分所得を基準にした統計です。
可処分所得とは、総所得額から支払い義務のある税金等を差し引いた所得額のことを指します。
日本における4人世帯の可処分所得の平均は約450万円/年です。また、単身世帯の可処分所得の平均は約250万円/年です。
相対的貧困率は、この可処分所得平均額の半分以下の世帯がどの程度の割合を示します。4人世帯で225万円/年以下で生活している層(貧困層)は、実に約6世帯に1世帯になります。
貧困層が抱える問題点として、フォーマルなサービスに繋がりづらい点、福祉の選択肢が非常に限られている点、殆どの福祉サービスは住民票所在地を基準に、管轄自治体が実施機関として取扱っている点などがあげられます。
ホームレス問題で考えると、路上生活者や社会的入院患者等の多くは、住民票がありません。そのため、宿泊所の支援は、まず住民票の設定などの身辺整理からはじまります。また、福祉サービスの実施を取り扱う行政機関は、住所地の定まっていない貧困層の取扱いを拒絶する傾向が強く、行政同士が押し付け合うなどの差別的な対応が起こっています。貧困であるが故に自己決定の範囲が狭まる現象は、日本の社会保障制度の在り方が大きな問題であるにも関わらず、なぜか、貧困ビジネスという事業者に向けた言葉一つで片付けられている現状があります。
貧困層に対する問題をどのような解決手法をもって解消していくか、真剣に議論することが必要であると思います。
認知症
日本の認知症患者は200万人以上、85歳以上では4人に1人にその症状があるといわれており、高齢化社会の問題として取り上げられています。
認知症は誰にでも起こりうる脳の病気です。認知症の人が記憶障害や認知障害から不安に陥り、その結果まわりの人との関係が損なわれてしまう、家族が疲れ切ってしまい共倒れしてしまうことが少なくありません。周囲の理解と気遣いがあれば、このようなことを防ぐことができます。
まずは認知症について正しい知識をもつことが大切です。
認知症を理解し、認知症の人や家族を見守るために、「認知症サポーターキャラバン」が全国で展開されており、地域や学校や企業など数多くの方が、認知症サポーター養成講座を受講されています。わたし達エスエスエスの職員も認知症を正しく理解し、支えることができるように、受講しています。
自己覚知
相談業務を行う上で、援助者は自分の価値観や考え方を常に把握する必要があります。
自分を知ることが相手を知る事に繋がり、相手の価値観や考え方を受容し、信頼関係を構築することができます。
ノーマライゼーション
1950年代デンマークのバンク・ミケルセンが知的障害者の福祉向上のために提唱し、高齢者や障害者などと健常者を区別するのではなく、誰もが普通に暮らせる社会を実現するという考え方です。1981年国際障害者年を機に、今日の日本福祉の根底を成す考え方となっています。
ホームレスをはじめとした貧困問題にも、同様にノーマライゼーションの考え方が重要となります。社会では未だホームレスだから、生活保護者だから、刑余者だからと非難や差別している風潮があります。わたし達エスエスエスでは、地域活動を通して、誰もが普通に暮らせる地域・社会に努めていますが、一事業者の努力で解決できることではありません。
この問題は、国、社会として取り組むことが必要であり、マスコミも社会へ貧困問題に対するノーマライゼーションを呼び掛けるべきだと感じます。
地域福祉
地域住民や福祉にかかわる事業者や援助者は、福祉サービスを必要としている地域住民(高齢者、障害者、児童、低所得者など)を地域から排除するのではなく、同じ地域住民として受け入れ、地域の一員として、サポートしていくことです。
わたし達エスエスエスでは、施設周辺の近隣清掃・町内会の行う消防訓練・地域住民参加型のレクリエーションなど(もちつき大会など)、地域交流の参加に努めています。
在宅福祉サービス
高齢や障害などで日常生活を一人で営むことが困難な人々が、施設に入所するのではなく、住み慣れた地域や家で暮らしながら福祉サービスを利用することです。
宿泊所に入所してこられる利用者の特徴は、放浪生活が長い、住居を点々としているなど「住み慣れた地域がない」という課題に加えて、在宅生活する能力が低下している、不安を抱えている、準備が不十分など様々な問題を抱えています。
わたし達エスエスエスでは施設を利用している間に、日常生活訓練(例:コミュニケーション能力、金銭管理、身の回りの清掃など)や身辺整理(例:住民票の設定、債務整理など)を行い、安心して在宅で生活できるように支援に努めています。
民生委員
民生委員法という法律により、各地域に配置されており、生活に困っている方や高齢者の方など、福祉に関する様々な悩みの相談に応じ、関係・専門機関の橋渡しなどの支援を行っています。
介護保険制度
病気や高齢により身体的介護が必要な人と、それを支える家族に対して、安心した生活が営めるよう介護のサポートをする保険制度のことです。
介護保険制度の対象者は、65歳以上を第1号被保険者、40歳以上65歳未満を第2号被保険者としており、財源の半分は40歳以上から徴収する介護保険料で賄われています。
第1号被保険者であれば、介護サービスを利用したい場合は申請(介護保険課・高齢福祉課など)を行います。第2号被保険者は、特定疾病(16疾病)に該当しなければ、申請することができません。要支援1~2、要介護1~5と介護の必要性に応じ認定されます。介護度は、要支援1が軽く、重くなるにつれ要介護5に進みます。介護度に応じ受けられるサービスも変わってきます。
介護度が重い場合は、特別養護老人ホームなどの施設利用ができますが、施設数が不足しているため、困っていても順番待ちの状態です。
在宅で生活をする場合は、介護サービスを利用しても同居している家族のサポートが必要不可欠であり、現在抱えている問題の一つに老老介護や認認介護があげられます。
老々介護
高齢者を介護する介護者自身も高齢者であること。
そのため、体力が落ちて十分な介護ができない、または虐待や介護苦心中などが社会的な問題になっています。
認認介護
認知症を介護する介護者自身も認知症であること。そのため、老老介護以上に十分な介護ができない、または虐待などが社会的問題になっています。
名称独占
国家資格において、登録を受けた有資格者だけがその名称を用いることができます。
社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士、保育士などがあります。
ただし、その資格がなくても業務をすることには制限がありません。医師や看護士などは、免許をもつもの以外に業務を行うことができません。
これを業務独占と言います。
社会福祉士の役割
様々な事情で日常生活を営むことが困難な相談者に対して、ともに考え解決に向けたサポートをします。
また、専門家や関連機関につなぐことも役割の一つです。相談業務の他に、国の施策や社会問題に対して提言するなど社会全体の福祉問題に取り組みことが求められています。
福祉は対人関係の仕事であり、資格を持っていても気持ちがなければよい仕事ができません、福祉に関連する資格がなくとも業務経験が豊富で素晴らしい仕事をされる方々が数多く福祉現場で活躍されています。
わたし達エスエスエスでは、福祉の専門性をより高めることで、よりよいサービスが提供できるよう職員に向けて、社会福祉士、精神保健福祉士などの資格取得補助を行っています。これにより、社会福祉士4名・精神保健福祉士6名が取得しています。(2011年~2016年3月実績)
CBT(認知行動療法)
心理療法のひとつで、ものの見方やとらえ方である『認知(物事の捉え方)』と、『行動』に働きかける事によって、生きづらくしている悪循環を変化させ、生きやすくしていこうという心理療法のことです。
生活困窮状態にある方は、過度のストレス状況に置かれていた過去を持っており、心理療法や精神療法が必要不可欠だと考えます。
しかしながら、日本には認知行動療法等のカウンセリング資源が不足しており、また、医療費対象にならない場合が多く、低所得者のメンタルヘルス向上に適した社会でないという現状があります。わたし達のような福祉専門職が、このようなスキルを身につけることにより、業界の底上げを図る必要性を痛切に感じるとともに、施策としての検討も必要時代であると痛切に感じております。
SST(社会生活技能訓練)
主に、精神障害者の抱える社会的ストレスのリハビリとして活用され、ロールプレイ(役割演技)を通じて、自分の認知(物事の捉え方)や気持ちを整理し、社会生活の場において自分が苦手に感じていることや自分の要求していることを上手に伝えられるようになるためのトレーニングのことで、認知行動療法の一つです。
チームで行う特徴を持つため、SSTの目的や約束事などをメンバー内で共有していくことが重要になります。
社会生活上の困難な場面などを設定して、ロールプレイを実施します。終了後はメンバーでフィードバックを行いながら、支援者やその場面対応が得意な参加者によるモデリング(見本)を参考に認知のゆがみを整理して、再度ロールプレイを実施するといった一連の流れが特徴となります。
ここで得た経験を実社会における実践の宿題として、次のSSTでも反復練習を行い、社会生活技能を獲得していくという特徴があります。

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