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更新日:2018.03.21

丸3年を迎える「ちょうしサポートセンター」
相談支援員がふりかえる生活困窮者自立支援制度

スタッフインタビュー:高安廣

#千葉 #20代 #スタッフ #相談支援

全国屈指の漁業の町で

千葉県銚子市。2018年1月1日現在、人口6万3千人がくらす全国屈指の漁業の町。
銚子港や犬吠埼などの観光スポットがあるほか、日本国内で一番はやく初日の出が見られるなど、太平洋側の東端に位置することで有名な自治体です。

そんな銚子市からNPO法人エスエスエスが委託をうけ、2015年4月1日にオープンしたのが「ちょうしサポートセンター」。
生活困窮者自立支援法の施行によって全国の自治体に必須事業として義務づけられた「自立相談支援事業」を実施しています。

厚生労働省は、3年をメドに制度の見直しを図るとして有識者を集めた検討会を開催。そうした公式な動きとは異なる視点から、現場の声を紹介します。

2年11か月で456件の新規相談

毎月1回、金曜の夜に東京都内のフットサルコートで汗を流す「SSSフットサル倶楽部」のメンバー。
その中に180cmをこえる長身、固いディフェンスと鋭いパスでひときわ目立つ若手スタッフの姿があります。

それが、「ちょうしサポートセンター(以下、ちょうしサポート)」のスタート時から相談支援員をつとめ、丸3年を迎える高安廣(たかやすひろ・29歳)です。

それまで無料低額宿泊所の運営管理アシスタントなどをしていた高安は、生活困窮者自立支援法の施行と同時に異動。ちょうしサポートの相談支援を担当することになりました。

初年度から2018年2月末までの2年11か月の間に456件の新規相談を受けつけ、
「仕事をやめてしまって家賃が払えない」
「親の介護で生活していけるか不安」
「子どもがたくさんいるのに夫が働かない」
といった生活に困窮した人達をセンター長らと支援してきました。

「人と人の関わりあい」が一番大切

高安の担う相談支援の具体的な内容は、相談者から「困っている」内容を聞き取り解決すること。そのためのプランを作成し、活用できる制度や給付がないかを一緒に考えていきます。

3年を振り返って感じることは、生活再建のための制度が使えない場合も多いということ。 失業保険や住宅確保給付金といった制度は65歳以上の高齢者や失業後のブランクが長い人は対象にならないなど、対象が限定的なため、スムーズな問題解決にいたりません。

それでも、制度を頼らずに相談者との面談をかさねて打開策がみつかったり、自助努力を促すことで生活を立て直すことができたケースも多く、相談支援の現場で一番大切なものは「人と人の関わりあい」だと感じています。

「人と深く関わるのが苦手だった」

現在、高安は、ちょうしサポートで「相談のスペシャリストを目指す」「もっと相談支援をやりたい」と揺るぎない気持ちをもって活動しています。

しかし、異動の前には「退職しようかな」と煮詰まっていた時期もありました。
それは、無料低額宿泊所の支援についてスタッフ間で方向性が食い違い、ひとりで悩みを抱え込んでしまった時。

また、信じていた利用者に裏切られ、人間不信に陥った時でもありました。

もともと「人と深く関わるのが苦手だった」という高安。
5歳から続けてきたサッカーでは、「チームで一丸となってやれるのが好き」という一方、「団体の輪にはいるけど一歩ひいて見ている」という自分がいました。

「かっこ悪いところを見せたくない」
羞恥心やプライドが邪魔して、仕事の面でも周囲に相談することを
「仕事ができていない証拠」「自分から言い出しにくい」とひとり抱え込んでいたのです。

「SSSフットサル倶楽部」が転機に

当時「いっぱいいっぱいになっていた」という高安。
転機が訪れたのは、「SSSフットサル倶楽部」での一幕でした。

自分が悩んでいることを普段の仕事では接することのない他エリアの先輩スタッフに何気なく話したところ、
「そういうのあるある~♪」と驚くほど軽い返事がかえってきました。

この言葉によって深刻さが吹き飛び、「ひとりでチマチマ考えてもしょうがない」「自分をどう見せても同じ」と、180度ちかく意識が転換。
それからは周囲に相談できるようになり、ありのままの自分を見せることも「楽しく」なりました。

そして、自分のカラをやぶった高安は、ちょうしサポートを訪れる相談者にかつての自分を重ねあわせます。

相談者とともに自分自身も成長

「なぜ生活に困窮することになってしまったのか?」
そこには本来、恥ずかしさがともなうことを忘れてはいけません。

また、「遠慮なく話してください」と伝えても、浪費癖など相談者自身が後ろめたさを感じ、本音の部分をなかなか明かせないケースもあります。

「相談とは自分の弱い部分をさらけ出すことでもある」

特に家計のやり繰りは、踏み込みづらいデリケートな部分。
収入と支出のバランスに問題がある場合も多いため、月ごとの計画表を一緒に作成したり、お金を支出ごとにわけて封筒につめたりと丁寧に支援します。

しかし、本来これは生活困窮者自立支援法の任意事業である「家計相談支援事業」の守備範囲。
正式な事業の名のもとで、制度のレールにのせることができれば、相談者からの了解を得やすくなり「もっと良い支援ができる」と高安は考えています。

そして、生活困窮者自立支援法の施行から丸3年。

高安は、今まで以上の責任と自覚をもって相談支援の現場に身をおき、相談者とともに自分自身も成長していきたいと考えています。

※高安は2018年6月より、市川市ホームレス自立支援相談業務担当として配置転換されています。

文(聞き手):竹浦史展
取材日:2018.1.10

高安廣(たかやすひろ) 

1989年2月生まれ/2011年入社
特定非営利活動法人エス・エス・エス(NPO SSS)
ちょうしサポートセンター 相談支援員
船橋市出身。5歳からサッカーボールを蹴りはじめ、大学時代より社会人リーグに所属。週末のほとんどをサッカーとフットサルに費やすスポーツマン。

〔お問い合わせ〕
ちょうしサポートセンター
0120-240-737

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